『負けヒロインが多すぎる!』(まけヒロインがおおすぎる、英題:TOO MANY LOSING HEROINES)は、雨森たきびによる日本のライトノベル。イラストはいみぎむるが担当している。ガガガ文庫(小学館)にて2021年7月から刊行されている。略称は「マケイン」。第15回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作(受賞時のタイトルは『俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか』)。セブンシーズ・エンターテインメントより本作の英語版が2024年8月から刊行されている。
メディアミックスとして、『マンガワン』(小学館)にていたちによるコミカライズの連載が2022年4月から開始されており、同年5月6日からは『裏サンデー』(同)でも連載されている。2023年9月からオーディオブック版がデータ販売されている。2024年7月から9月までテレビアニメが放送された。
あらすじ
自称「背景キャラ」の温水和彦は、ある日偶然クラスの人気女子・八奈見杏菜が同級生で幼馴染の男子生徒に振られている現場を目撃してしまう。それ以降、和彦は杏菜を含めた複数の負けヒロインたちと関わっていくこととなる。
登場人物
学年は物語開始時点のものであり、第7巻にて進級する。
声の項は特記のない限りオーディオブック版 / テレビアニメ版の声優。
ツワブキ高校
文芸部員
温水和彦 ()- 声 - 鵜澤正太郎 / 梅田修一朗
- 本作の主人公で高校1年生の男子生徒。友達はおらず、達観した性格をしている。ライトノベル好きのオタクでもある。平穏な生活を望み友人も作らず傍観者を気取っていたが、杏菜が失恋する様子を見てから多くのトラブルに巻き込まれる様になる。学校の水道水の味に拘りがある。
- キャラクター設定
- 本作の応募原稿時の時点では現状より少しなよなよした性格だったが、書籍化に伴い雨森曰く「メンタルを安定させて筋の通った気の利かない性格」に変更されている。
- 評価
- 『このライトノベルがすごい!』男性キャラクター部門では2025年版で1位を獲得している。書評家・ライターのタニグチリウイチは同部門で温水が久世政近や藤宮周を抑えて1位を獲得できたのは、この二人がそれぞれヒロインと1対1の関係であったのに対して、温水は癖の強い複数の負けヒロインたちと向き合い、そして立ち直らせるという活躍を見せたからかもしれないと述べている。
八奈見杏菜 ()- 声 - 本泉莉奈 / 遠野ひかる
- 本作の負けヒロインの一人。和彦のクラスメイトであり、容姿が良いことからクラスでも人気がある。明るく、愛嬌のある性格をしているが、少し抜けた一面もある。また、かなりの食いしん坊でもある。幼馴染の草介の事が好きだったが、草介は転校生の姫宮華恋を好きになってしまい、彼を後押しする形で失恋する。
- キャラクター設定
- 雨森は杏菜を「メインの負けヒロイン」に位置付けしており、読者が「フラれても仕方ないよね、ドンマイ」と感じるようなキャラクター性にしている。また、「男性から見て、女性の分かりにくいところを盛り込んだキャラクター」を作ろうと考えていたとも話している。雨森は温水和彦との関係性を「良き相棒」と表現している。
- 雨森は元々は食いしん坊という設定は無く、正統派ヒロインらしいオシャレで今ドキな印象を与えようと考えて執筆を始めたが、書き進めていくうちに「こいついっぱい食べるな?」と感じ、食いしん坊という属性を足したと明かしている。また、名前も元々は「色葉」だったが、担当編集者の岩浅健太郎から「同レーベルで読みも「いろは」」だと指摘され、現在の「杏菜」に変更したという。
- 評価
- 原作小説第3巻発売時に実施されたキャンペーン「最強マケイン決定戦」では1位を獲得している。
- 「負けヒロイン総選挙 in豊橋カルミア杯」では1位を獲得している。
- 電撃オンラインが2024年8月24日から9月1日にかけて実施した、本作のテレビアニメにおけるキャラクター人気投票では1位(得票率は53.8%)を獲得している。
- 『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2025年版で2位を獲得している。
焼塩檸檬 ()- 声 - 山一茉希 / 若山詩音
- 本作の負けヒロインの一人。和彦のクラスメイトかつ陸上部のエースであり、性格も明るく容姿も良いためクラスでも人気がある。勉強は少し苦手としている。幼馴染の光希の事が好きだったが、彼からは異性として見てもらえず失恋する。
- キャラクター設定
- 明るくて元気な女の子がヒロインレースに敗北した姿を描きたかったと雨森は明言している。また、雨森は日焼けした元気な女子に対しても負けヒロインの印象を抱いており、ある程度頭の良い八奈見杏菜に対して、天然なキャラクターを加えたいと思ったことから焼塩檸檬が生まれた。名前に関しては、日焼け繋がりで「焼」という字を入れることを考え、実在する苗字である「焼塩」と「焼いたものには檸檬」ということでそれらを組み合わせて完成した。
- 評価
- 電撃オンラインが2024年8月24日から9月1日にかけて実施した、本作のテレビアニメにおけるキャラクター人気投票では2位を獲得している。
小鞠知花 ()- 声 - 柴田芽衣 / 寺澤百花
- 本作の負けヒロインの一人。和彦の同級生かつ文芸部員であり、極度の人見知りから他人と会話をするのは苦手としている。自分を勇気づけてくれた慎太郎の事が好きだったが、彼の心は知花には向いておらず失恋する。なお、負けヒロインの中で唯一、勇気を出して好きだった相手(慎太郎)に告白した。
- キャラクター設定
- 杏菜と檸檬が正統派に分類される美少女であったことから、少し特殊な性格の負けヒロインとして設定されている。雨森は女版主人公と言えるかもしれないと述べている。
- 雨森は後輩キャラについても負けヒロインの印象を抱いており、先輩に恋するキャラクターとして生まれた。名前に関しては、元々友達がおらずファーストネームで呼ばれることが少ないため、可愛い苗字にしようと考え、「小鞠」となったという。また、「困る」と響きを重ねたかったとも述べている。
玉木慎太郎 ()- 声 - 近衛秀馬 / 小林裕介
- 文芸部部長を務める高校3年生。古都とは幼馴染である。イケメンで背も高い。
月之木古都 ()- 声 - 渡辺けあき / 種﨑敦美
- 文芸部副部長を務める高校3年生。慎太郎とは幼馴染である。テストの成績は悪い。
白玉リコ ()- 本作の負けヒロインの一人。第7巻より登場する和彦の後輩となる高校1年生。容姿は良いが、あざとい性格をしている。入学早々問題を起こして、停学処分を受けている。
- キャラクター設定
- 雨森は既に関係性が固まっているメインキャラクターたちの中に入っていくことの難しさから、イラスト面でいみぎむるにこれまでのヒロインと大きく異なる雰囲気のヒロインとなるように依頼した。名前に関しては、自身が過去に執筆した小説のキャラクターが元になっている。
生徒会役員
放虎原ひばり ()- 声 - 森川真紗子 / 七海ひろき
- 生徒会長を務める高校2年生。背が高く、迫力がある一方で、実は天然なのではないかと和彦は疑っている。
馬剃天愛星 ()- 声 - 籔根依泉 / 諸星すみれ
- 生徒会副会長を務める高校1年生。生徒会役員であるにもかかわらずテストの成績が悪いことを気にしている。
志喜屋夢子 ()- 声 - 白田千尋 / 安済知佳
- 生徒会書記を務める高校2年生。派手な見た目をしたギャルだが、その見た目に反してテンションは低い。また、テストの成績も優秀である。
桜井弘人 ()- 声 - 山内平(オーディオブック)
- 生徒会会計を務める高校1年生。小柄かつ中性的で整った容姿をしている。ひばりの従姉弟であり、彼女のことを「ひば姉」と呼んでいる。
その他学校関係者
綾野光希 ()- 声 - 近衛秀馬 / 小林千晃
- 千早の恋人。和彦とは出身中学が同じで、塾も一緒に通っていたが、友人という間柄ではない。檸檬とは小学校時代からの知り合い。恋愛に関してはかなり鈍感で、檸檬が口にするまで彼女からの好意にも、実は檸檬に初恋していた事にも気付いていなかった。
朝雲千早 ()- 声 - 釜澤希莉 / 上田麗奈
- 光希の恋人。かつて和彦たちと同じ塾に通っており、容姿が良い上に成績優秀なため塾内では有名だった。普段は温厚だが、ストーカー気質で嫉妬深い一面を持つ。電子機器と鉱物に詳しい。
袴田草介 ()- 声 - 山内平 / 逢坂良太
- 華恋の恋人で、杏菜とは幼馴染でもある。イケメンで性格も明るく、クラスでは目立つ存在。だが空気が読めないところがあり、杏菜と和彦の仲を取り持とうとして杏菜を怒らせた。
姫宮華恋 ()- 声 - 伊駒ゆりえ / 和氣あず未
- 草介の恋人で、杏菜とは親友。容姿が良い上に胸も大きく、和彦は華恋を「正ヒロイン感満載の美少女」と形容している。心優しい性格をしており、杏菜のことを良く気にかけている。
甘夏古奈美 ()- 声 - 伊駒ゆりえ / 上坂すみれ
- 和彦のクラスの担任教師。よく授業時間を間違えたり、教材を忘れたりしており、和彦からは「とても世話の焼ける人」と認識されている。かつてツワブキ高校の生徒であった。
小抜小夜 ()- 声 - 釜澤希莉 / 斎藤千和
- 養護教諭。かつてツワブキ高校の生徒であり、古奈美とは同級生だった。色っぽい容姿をしている。
桃園中学
温水佳樹 ()- 声 - 白田千尋 / 田中美海
- 和彦の2つ下の妹。容姿は良く、学校では生徒会にも所属している。和彦にとにかく構いたがる性格をしており、彼に友達が出来ないことをとても心配している。また、和彦のことを「お兄様」と呼ぶ。
- キャラクター設定
- ハーレムものではない本作において、主人公を好いてくれるキャラクターを登場させたかったと雨森は明言している。また雨森は、ある程度リアリティを感じられるように書いた他のヒロインとは異なり、佳樹の場合はリアリティラインを下げて分かりやすいキャラクターにしたと述べている。
- 評価
- 「負けヒロイン総選挙 in豊橋カルミア杯」では2位を獲得している。
- 電撃オンラインが2024年8月24日から9月1日にかけて実施した、本作のテレビアニメにおけるキャラクター人気投票では3位を獲得している。
権藤アサミ ()- 声 - 釜澤希莉 / 関根明良
- 佳樹のクラスメイトで親友。年齢の割に背が高く、大人びている。東三河地域特有の方言で話す。
作風とテーマ
本作の執筆において最初に意識した点について雨森は以下のように述べている。
雨森は元々様々なキャラクターが登場する作品を好んでおり、「負けヒロイン」をテーマにするにあたって様々なタイプの負けヒロインを登場させたいと考えた。本作では3人の負けヒロインが登場するが、メタ要素が少なくないゆえにネタっぽくなることを懸念した雨森はリアリティとのバランスを考えた結果、作中舞台を愛知県豊橋市という実際の地域に設定した。豊橋市は雨森の地元であるが、舞台を地元に決めたのは「自分の好きな場所でキャラが育ってほしい」という自身のわがままによるものだと話している。
作中に登場する高校は愛知県立時習館高校(以下、時習館高校)がモデルとなっており、雨森は時習館高校を「特別な人が行く学校」という憧れのイメージを抱いていたという。また、「水上ビル」「豊橋市地下資源館」「豊川稲荷」「JR飯田線」といった東三河の地名・施設や、ブラックサンダーやうずらサブレなど豊橋発祥の食べ物も登場する。
本作のストーリーの主軸は恋愛ではない。恋愛を主軸にすると負けヒロインは次第に蚊帳の外になり、負けヒロインたちの視点を中心に物語を描くことを考えていた雨森にとっては都合の悪い設定となるためである。また、ヒロインたちは敗北することを前提に登場しているため、ヒロインがきちんと負ける展開にしつつも、読者が読んで辛くならないようにしなければならないと雨森は考えた。そのために登場人物には悪意を持たせず、ヒロインレースに負けるという悲壮感も出来る限り薄めることを意識しているという。
制作背景
雨森が以前視聴していたアニメに登場する青髪の女性キャラクターが「負けヒロイン」のように感じ、そのキャラクターが実際に恋愛に負け続けながらも自身の気持ちに向き合いながらもがいていく姿に感動を覚え、「恋に破れるキャラクターを描きたい」と思ったことが本作の着想の源であるという。
雨森自身がかなりのラブコメ好きで、以前から小学館のライトノベル作品である『弱キャラ友崎くん』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』などのラブコメ作品を読んでおり、ラブコメと言えばガガガ文庫という印象を抱いていたことから小説大賞の応募先として小学館ライトノベル大賞を選んだ。当初は第14回への応募を考えていたが、「小学館ライトノベル大賞の第1次選考は厳しい」という印象を抱いており、自身の現状の実力を把握する必要性を感じたことから、辞退を決意した。その後、他の新人賞に応募し、落選したものの「キャラクターのやり取りやコメディ」を良かった点として挙げられたことから、その部分について何度も改稿を重ねて翌年の第15回に再応募したことを明かしている。
タイトルについては長らく決まらなかったが、岩浅が用意した案の中に含まれていた現在のタイトルに雨森自身も「確かに多い」と笑ってしまい、これをタイトルに採用しようと決断した。
評価
小学館ライトノベル大賞(第15回 / ガガガ部門)にてガガガ賞を受賞。なお、受賞時のタイトルは「俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか」であった。ゲスト審査員を務めたカルロ・ゼンは本作を以下のように評している。
フリーライターの古林恭は、「負け」は試合の終わりを意味し、物語終盤に発生することが多いからかもしれないという理由で「負けヒロイン」というワードに対して強いネガティブなイメージを抱いていたが、本作のコミカライズは「コメディタッチな雰囲気」と「作画の可愛さ」によって彼女たちの負けたその後の物語を楽しく読むことができると評している。
「ラノベニュースオンラインアワード2021年7月刊」では第1巻が「総合部門」「笑った部門」「新作総合部門」「新作部門」の4部門にそれぞれ選出された。
「次にくるライトノベル大賞2021」では総合部門で14位、書き下ろし新作部門で4位をそれぞれ獲得している。『このライトノベルがすごい!2022』では総合新作部門で11位を、文庫部門で18位をそれぞれ獲得している。『このライトノベルがすごい!2025』では文庫部門で1位を獲得している。
「BOOK☆WALKER 電子書籍ランキング2024」ラノベ・新文芸部門では2位を獲得している。
既刊一覧
小説
- 雨森たきび(著)・いみぎむる(イラスト) 『負けヒロインが多すぎる!』 小学館〈ガガガ文庫〉、既刊8巻(2024年7月18日現在)
- 『負けヒロインが多すぎる!』2021年7月26日初版第1刷発行(7月21日発売)、ISBN 978-4-09-453017-9
- 『負けヒロインが多すぎる!2』2021年11月23日初版第1刷発行(11月18日発売)、ISBN 978-4-09-453041-4
- 『負けヒロインが多すぎる!3』2022年4月24日初版第1刷発行(4月19日発売)、ISBN 978-4-09-453064-3
- 『負けヒロインが多すぎる!4』2022年10月23日初版第1刷発行(10月18日発売)、ISBN 978-4-09-453094-0
- 『負けヒロインが多すぎる!5』2023年3月22日初版第1刷発行(3月17日発売)、ISBN 978-4-09-453118-3
- 『負けヒロインが多すぎる!6』2023年12月23日初版第1刷発行(12月18日発売)、ISBN 978-4-09-453164-0
- 『負けヒロインが多すぎる!7』2024年7月23日初版第1刷発行(7月18日発売)、ISBN 978-4-09-453197-8
- 『負けヒロインが多すぎる!SSS』2024年7月23日初版第1刷発行(7月18日発売)、ISBN 978-4-09-453201-2
漫画
- 雨森たきび(原作)・いみぎむる(キャラクター原案)・いたち(作画) 『負けヒロインが多すぎる!@comic』 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉、既刊4巻(2025年1月10日現在)
- 2022年10月12日発売、ISBN 978-4-09-851336-9
- 2023年8月18日発売、ISBN 978-4-09-852674-1
- 2024年7月18日発売、ISBN 978-4-09-853388-6
- 2025年1月10日発売、ISBN 978-4-09-853801-0
テレビアニメ
2023年12月にテレビアニメ化が発表され、2024年7月から9月までTOKYO MXほかにて放送された。岩浅は第1巻刊行前の時点でテレビアニメ化の話があったことを明かしている。
スタッフ
- 原作 - 雨森たきび
- キャラクター原案 - いみぎむる
- 監督 - 北村翔太郎
- シリーズ構成・脚本 - 横谷昌宏
- キャラクターデザイン - 川上哲也
- メインアニメーター - 三浦琢光、竹田茜、原島未来
- ビジュアルボード - 大谷藍生、有原慧悟
- プロップデザイン - 木藤貴之
- 色彩設計 - 村上彩夏
- 美術設定 - 平義樹弥
- 美術監督 - 畠山佑貴
- 3D監督 - 栗林裕紀
- 撮影監督 - 宮脇洋平
- 編集 - 廣瀬清志
- 音響監督 - 吉田光平
- 音響効果 - 長谷川卓也
- 音楽 - うたたね歌菜
- 音楽制作 - アニプレックス
- 音楽プロデューサー - 山内真治
- プロデューサー - 神宮司学、井上めぐみ、大和田智之、長嶺利江子
- アニメーションプロデューサー - 菊池雄一郎
- アニメーション制作 - A-1 Pictures
- 製作 - マケイン応援委員会(アニプレックス、BS11、TOKYO MX、読売テレビ、グッドスマイルカンパニー、コンテンツシード、JR東海エージェンシー)
主題歌
エンディングテーマは、「マケイン応援!カバーソングシリーズ」と題して、本作のヒロインによるカバー楽曲が使用される。
- 「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」
- ぼっちぼろまるによるオープニングテーマ。作詞・作曲・編曲はぼっちぼろまる。
- 「LOVE2000」
- 八奈見杏菜(遠野ひかる)によるエンディングテーマ。作詞はhitomi、作曲は鎌田雅人、編曲は村田祐一。
- 遠野は本楽曲は杏菜が歌うからこそ意味があるとしたうえで、せつなさを乗せるよりも杏菜が杏菜らしく歌っているということを一番大切にして歌唱したと話している。また、「杏菜を通して歌うからこそ、より深みが増すように、歌詞の言葉一つ一つを大切にした」とも話している。
- 「CRAZY FOR YOU」
- 焼塩檸檬(若山詩音)によるエンディングテーマ。作詞・作曲は磯貝サイモン、編曲は村田祐一。
- 「feel my soul」
- 小鞠知花(寺澤百花)によるエンディングテーマ。作詞・作曲はYUI、編曲は村田祐一。
反響
ライトノベル『負けヒロインが多すぎる!』公式Xが原作小説各既刊の電子売上(2024年7月)が先月比10倍以上となった旨を報告している。GAME WatchによればABEMAやdアニメストアで部門1位を獲得し、Xでもトレンド入りするなど大きな反響があったことから、今回の売上増加はテレビアニメ化効果によるものであるとのこと。その後、公式Xは2024年8月電子売上が6月比25倍以上となり、同月のガガガ全体の82%の売上を本作の原作小説が占め、電子書籍としてガガガ歴代最高となる月間売上を記録したことを報告した。なお、全国の各書店で原作小説が軒並み在庫切れを起こすという事象も発生した。
評価(テレビアニメ)
売上
Blu-ray第1巻の推定初週売上(オリコン調べ)は4,224枚を記録している。
批評
タニグチは、第1話の出来の良さについて触れている。タニグチは幼馴染の恋を応援する形で結果的に振られた八奈見杏菜が、彼の飲み干したドリンクのストローに口をつけるという場面を温水和彦に目撃された際に見せたリアクションには誰もが笑ってしまうとしており、そうしたアニメーションとしての面白さや、伝統校ならではの雑然さもちゃんと拾い上げて描写する背景の緻密さがストーリーとしての面白さと合わさり、2024年夏クールの中でも最注目作品になっていると述べている。
「4Gamer.net」編集部のmaruは、本作はヒロインの失恋後の物語が描かれるが、そのヒロインたちは「カラッと」しており、時には毒を吐いたり落ち込んだりもするが、少女期特有の明るさで主人公を惑わせるとしており、そんな魅力的なヒロインを監督の北村翔太郎は「瑞々しく」描いていると述べている。またmaruは、2024年夏クールの中でも本作は「キャラクターの描き込み」「動きの表現」がトップクラスだと評している。
人気投票・ランキング等
各話リスト
放送局
BD / DVD
CD
Web動画・Web番組
2023年12月14日にYouTubeにてテレビアニメ化決定のPVが公開された。
2024年3月17日にYouTubeにて初のアニメ映像付きとなるPV第1弾が公開され、メインキャストやスタッフ情報、エンディングテーマ情報が併せて発表された。
2024年6月9日にYouTubeにて本作の生配信特番「『負けヒロインが多すぎる!』戦略発表生配信」が配信され、梅田修一朗(温水和彦 役)、遠野ひかる(八奈見杏菜 役)、若山詩音(焼塩檸檬 役)、寺澤百花(小鞠知花 役)が出演した。また、同日にYouTubeにメインPVが公開され、追加キャストやオープニングテーマ情報が併せて発表された。
2024年8月30日にABEMAにて本作の特番「夏の振り返り恋愛反省回 in ABEMA」が配信され、遠野、若山、寺澤が出演した。
2024年10月27日に本作の特番「『負けヒロインが多すぎる!』第2四半期(7-9月期)業績報告生配信」が配信された。
イベント・コラボレーション
本作のイラスト担当・いみぎむるによる漫画作品『この美術部には問題がある!』が累計発行部数が100万部を突破したことと連載が100回を迎えたことを記念して、『電撃マオウ』2021年10月号にて『この美術部には問題がある!』と本作のコラボクリアファイルが付属された。
2022年2月に発売された帯屋ミドリによる漫画作品『今日から始める幼なじみ』第2巻の書店特典で、本作とのコラボリーフレットが用意された。
2022年4月23日に愛知県豊橋市の総合動植物公園「のんほいパーク」にてコラボイベントが開催された。本イベントは原作小説第3巻の刊行を記念したもので、作中舞台である豊橋市とのコラボレーションとなっており、のんほいパーク植物園の園内周遊型イベントとして行われた。
2023年12月25日から翌年2月14日まで豊橋駅東口ペデストリアンデッキにて開催された「とよはしキラキラ☆イルミネーション2023」にて本作の灯籠(幅90センチメートル、高さ2メートル)が設置された。本イベントは本作のテレビアニメ化を記念したものである。
2023年12月30日発行の『中日新聞』は、本作の舞台となった豊橋市が「アニメ化にちなんだ連携イベント」を検討中であると報じた。同市の観光プロモーション課によれば今回のアニメ化を機に「豊橋の魅力を全国に発信したい」とのこと。本作には市内の景色や特産品などが登場しており、同市民にも本作を知ってもらうことを目的として、本作が豊橋市の広報誌「広報とよはし」2024年8月号の表紙を飾ることとなった。
2023年3月18日から4月9日まで、JR東海とのコラボイベントとして、「負けヒロイン総選挙 in豊橋カルミア杯」を実施。2024年には同コラボ第2弾として、本作の聖地を巡る「さわやかウォーキング」や、いみぎむるによる書き下ろしポスター掲出、市内周遊スタンプラリーなどの企画が行われた。また、同年9月29日より第3弾として「負けヒロインのボイスが多すぎる!〜豊橋へようこそ〜」が実施される。
2024年6月30日にユナイテッド・シネマ豊橋18にて本作の先行上映会が開催され、遠野、若山、寺澤、豊橋市長の浅井由崇が登壇した。
2024年9月27日から10月14日までキュアメイドカフェにて本作のコラボカフェが開催された。本コラボではキャラクターをイメージしたメニューや書き下ろしイラストをしたオリジナルグッズの販売が行われている。
2024年9月7日から23日までAKIHABARAゲーマーズ本店にて本作の放送記念ストアが開催された。
2024年10月20日に「第68回ええじゃないか豊橋まつり」のイベントの一つとして、豊橋市公会堂ホールにて本作のトークステージが開催され、梅田、遠野、若山、寺澤が登壇した。
脚注
注釈
出典
参考文献
原作小説
- 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!』 第1巻、小学館〈ガガガ文庫〉、2021年7月26日。ISBN 978-4-09-453017-9。
- 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!』 第2巻、小学館〈ガガガ文庫〉、2021年11月23日。ISBN 978-4-09-453041-4。
- 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!』 第3巻、小学館〈ガガガ文庫〉、2022年4月24日。ISBN 978-4-09-453064-3。
- 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!』 第4巻、小学館〈ガガガ文庫〉、2022年10月23日。ISBN 978-4-09-453094-0。
- 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!』 第7巻、小学館〈ガガガ文庫〉、2024年7月23日。ISBN 978-4-09-453197-8。
雑誌
- 『メガミマガジン 2024年8月号』Gakken、2024年6月28日。ASIN B009FRHIOA。
- 『月刊ニュータイプ 2024年8月号』KADOKAWA、2024年7月10日。ASIN B009UO430U。
ガイドブック
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2022』宝島社、2021年12月9日。ISBN 978-4-299-02264-6。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2023』宝島社、2022年12月10日。ISBN 978-4-299-03647-6。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2024』宝島社、2023年12月9日。ISBN 978-4-299-04899-8。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2025』宝島社、2024年12月10日。ISBN 978-4-299-06183-6。
外部リンク
- 負けヒロインが多すぎる! 特設サイト
- 負けヒロインが多すぎる! (@makeine0718) - X(旧Twitter)
- 負けヒロインが多すぎる@comic|裏サンデー
- JR東海×負けヒロインが多すぎる!【JR東海公式】 (@JRC_makeine) - X(旧Twitter)
- TVアニメ「負けヒロインが多すぎる!」公式サイト
- TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』公式 (@makeine_anime) - X(旧Twitter)



