『鳴門秘帖』(なるとひちょう)は、NHKが制作し、1977年(昭和52年)5月6日から1978年(昭和53年)3月17日にかけて、毎週金曜日20時の『金曜時代劇』から放映された連続テレビ時代劇。田村正和主演。全44回。田村はこの作品で改めて人気を博した。
放送終了後の1978年4月11日から1979年(昭和54年)10月9日までの毎週火曜日午後3時5分には再放送が行われた。
概要
吉川英治の同名原作を現代的なタッチで脚色した時代劇。虚無僧姿で無住心剣夕雲流を操る美剣士、法月弦之丞(田村正和)は幕府転覆の陰謀を探るために阿波に潜入する。主人公法月弦之丞と女たちが織り成す剣と恋の冒険物語である。落語家の古今亭志ん朝の番組前後の語り手としての登場、現代邦楽の音楽などが特色となった。少年ドラマシリーズや人形劇で奇才ぶりを発揮してきた脚本家・石山透が単独執筆した唯一の大人向け作品である。
1966年4月開始の『大岡政談 池田大助捕物帳』以来12年間続いた『金曜時代劇』の最終作となり、この時代劇枠は水曜20時枠に移動した。
映像の現存状況
当初はNHKに第1回と最終回のみマスターテープが保存されていたが、後年、当時の番組視聴者たちが家庭用ビデオテープに録画したものが徐々にNHKに寄付され、現在は全話分の映像が現存している。ただし第16話は白黒の物しか現存せず、NHKでは第16回のカラー版の寄贈を呼びかけている。またNHKに既に集まった物も家庭用テープで録画され、劣化しているもや画質の良好でないものもあるため、NHKでは引き続き映像の寄贈を呼びかけている。
エピソードなど
- 主演の田村は法月弦之丞と鳴門秘帖について「さっそうとしていて、剣が強く、女性にもてる役なので楽しい、とにかくきれいにきれいにやっています。」と語っていた。
- 第14回「今宵今夜の阿波おどり」では田村正和と三林京子が徳島で1分間の生中継を行った。
- この作品に出演するにあたり田村は阪妻十剣士と呼ばれていた父阪東妻三郎の殺陣集団と沢山の稽古をした上で撮影に臨んだ。
- 1979年には田村正和、三林京子、初出演、鳴門秘帖特別公演と題して舞台化された。出演者は他に竹屋三位卿役に東千代之介、甲比丹三次役に待田京介、お十夜孫兵衛役に御木本伸介、甲賀世阿弥役に清水彰など。
キャスト
- 法月弦之丞:田村正和
- 見返りお綱 :三林京子
- 万吉:森本レオ
- お十夜孫兵衛:江原真二郎
- 千絵:原田美枝子
- 幕府隠密・世阿弥:西村晃
(その他のキャストについては、#放映リストを参照)
スタッフ
- 原作 :吉川英治『鳴門秘帖』
- 音楽 :三木稔
- 脚本 :石山透
- 演出 :北嶋隆、渋谷康生、山中朝雄、山内暁、松本美彦、田中賢二、平山武之
- 技斗 : 若駒
放映リスト
脚注
関連項目
- 鳴門秘帖 (2018年のテレビドラマ) - 2018年にNHK BSプレミアムの「BS時代劇」枠で放送されたドラマ。山本耕史主演。
外部リンク
- 金曜ドラマ 鳴門秘帖 - NHK放送史




