ビロードボタンヅル(学名:Clematis leschenaultiana)はキンポウゲ科センニンソウ属のつる性半常緑低木。鹿児島県絶滅危惧II類。

特徴

茎はつる性で長さ4–7 mほど、葉柄で他の物に巻き付く。葉は1回3出複葉(まれに単葉)で対生する。小葉長は4–12 cm、幅3–6 cmとセンニンソウ属の中では大型で、楕円形~卵形、葉縁に鋸歯がある。小葉には3–5本のやや目立つ葉脈があり、葉表の葉脈は凹む。葉の両面や茎、萼片に黄褐色の長毛が密生し、ビロード状の感触がある。花期は冬~春で、枝先の葉腋に円錐花序をつける。花は径3 cmほどの鐘型で薄黄色、下向きに咲く。花弁は無く、花弁のようにみえる萼片は楕円状披針形で先は尖る。果実は痩果で冬~春にみられ、長さ4–5 cmの冠毛があり、痩果が集まってつく様子は林内で目立つ。

分布と生育環境

九州南部(鹿児島県)から沖縄、中国・台湾に分布。山地の林縁や道沿いに生育。

脚注

参考文献

  • 池原直樹「ビロードボタンヅル」『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~マメ科』新星図書出版、1989年。 
  • 大川智史; 林将之「ビロードボタンヅル」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。 
  • 片野田逸郎「ビロードボタンヅル」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056。 
  • 門田裕一 著「ビロードボタンヅル」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、377頁。ISBN 9784582535389。 
  • 鈴木英治; 丸野勝敏; 田金秀一郎; 寺田竜太; 久保紘史郎; 平城達哉; 大西亘ビロードボタンヅル「鹿児島県の維管束植物分布図集-全県版-」『鹿児島大学総合研究博物館研究報告』第17巻、鹿児島大学総合研究博物館、225頁、2022年。ISSN 2188-9074。https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/publications/plants/map_Kagoshima_all.pdf。 
  • 林将之; 名嘉初美「ビロードボタンヅル」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。ISBN 9784899824350。 

外部リンク

  • ビロードボタンヅル 奄美大島いきもの通信
  • ビロードボタンヅル おきなわカエル商会
  • ビロードボタンヅル(天鵞絨牡丹蔓) うちなー通信
  • ビロードボタンヅル(天鵞絨牡丹蔓) 野の花賛花
  • ビロードボタンヅル こまつなの部屋
  • ビロードボタンヅル 国立科学博物館 筑波実験植物園
  • ビロードボタンヅル みかんの花日記

【花の観察会】 冬の沖縄、ヘツカリンドウとビロードボタンヅル 3日間|アルパインツアー・海外国内のハイキング、トレッキング、登山ツアー

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